東京都内で歴史ある寺院を巡りたいと考えている方にとって、「増上寺 築地本願寺」は外せないスポットです。どちらも都心に位置しながら、深い歴史と独自の建築美を有しており、訪れる人に強い印象を残します。増上寺は徳川家の菩提寺として名を馳せ、重要文化財に指定された三解脱門や東京タワーとの調和した風景が見どころです。一方、築地本願寺はインド様式を取り入れたユニークな外観と、ステンドグラスや大理石を使った本堂が特徴的で、仏教建築の常識を覆す空間が広がっています。この記事では、増上寺と築地本願寺それぞれの魅力や歴史、周辺の観光スポットまで詳しくご紹介していきます。検索からたどり着いたあなたが、実際に足を運びたくなるような情報をお届けします。
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増上寺と築地本願寺の歴史的背景と由緒
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両寺院の建築様式や特徴的な見どころ
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境内や周辺で楽しめる観光スポットやグルメ情報
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東京タワーとの景観やアクセスの魅力
増上寺 築地本願寺の歴史と見どころ
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増上寺の三解脱門は国指定重要文化財
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東京タワーと調和する増上寺の本殿
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徳川家の菩提寺としての由緒
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増上寺の大梵鐘と江戸三名鐘
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築地本願寺は天竺様式の仏教建築
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築地本願寺のステンドグラスと大理石
増上寺の三解脱門は国指定重要文化財
増上寺を象徴する「三解脱門(さんげだつもん)」は、国指定の重要文化財として知られています。朱塗りの荘厳な楼門で、東京タワーの近くという都心に位置しながらも、歴史的な趣をしっかりと保っています。
この門の名称にある「三解脱」とは、仏教で説かれる「空」「無相」「無願」の三つの悟りの境地を意味します。門をくぐる行為が、煩悩や執着からの解放を象徴しているとも言われており、参拝者にとって精神的な意味を持つ場所でもあります。
三解脱門は江戸時代初期の建築で、徳川家の庇護を受けて増上寺が発展していく中で建てられました。その堂々たる姿は、高さ21メートルを超える二層構造で、上層には仏像が安置されていることも特徴です。
ただし、門の内部は一般公開されていないため、観光の際には外観のみの見学となります。それでも十分に見ごたえがあり、重厚感のある建築様式や細部の装飾には目を奪われるはずです。
写真撮影スポットとしても人気があり、歴史建築とモダンな都市風景が同時に楽しめる点でも注目されています。
東京タワーと調和する増上寺の本殿
増上寺の本殿は、現代的な東京タワーと美しい対比をなす建築としても知られています。寺院の伝統建築と近代的なランドマークが同じ構図に収まる光景は、他ではなかなか見られない景観です。
特に本殿前の広場から見上げたときの構図は印象的で、グレーの瓦屋根と赤い東京タワーが視界の中で調和します。この関係性が、増上寺の存在をより印象深いものにしているのです。
現在の本殿は戦後に再建されたもので、近代建築の要素を取り入れつつ、仏教寺院としての格式も守られています。内部は広々とした空間が確保されており、法要や説法が日常的に行われています。
一方で、寺院を訪れる人の中には、観光目的で訪れる人も多いため、静寂を重んじる参拝者にとっては時間帯に注意が必要です。午前中の早い時間に訪れると、比較的落ち着いて参拝することができます。
また、季節によっては境内に咲く花々や緑と東京タワーの組み合わせも楽しめ、写真愛好家や旅行者にとっても魅力的な場所となっています。伝統と現代が調和する景観は、まさに東京ならではの風景と言えるでしょう。
徳川家の菩提寺としての由緒
増上寺は、江戸幕府を開いた徳川家にとって深い関わりを持つ由緒ある寺院です。徳川家康が関東を治めるようになって間もなく、増上寺は浄土宗の教義と格式が評価され、徳川家の菩提寺として定められました。
将軍家との結びつきは非常に強く、実際に増上寺には二代将軍・徳川秀忠をはじめ、家宣、家継、家重、家慶、家茂の6人の将軍が眠る墓所が設けられています。これにより、増上寺は江戸時代を象徴する寺院の一つとなり、庶民からも「将軍の寺」として親しまれるようになりました。
また、増上寺では将軍家の葬儀や法要も数多く行われてきました。特に徳川家康の葬儀は、増上寺で営まれた後、日光東照宮へと改葬されるなど、歴史的にも重要な出来事が多く関連しています。
一方で、幕末や戦災の影響により、当時の建造物の多くが焼失したこともありました。その後の復興を経て、現在では墓所の一部が一般公開されており、歴史的価値を感じながら見学することができます。
このように、増上寺は徳川将軍家との深いつながりを今に伝える、歴史探訪にもふさわしい寺院となっています。
増上寺の大梵鐘と江戸三名鐘
増上寺の境内にある「大梵鐘(だいぼんしょう)」は、江戸時代初期に鋳造された歴史ある鐘で、「江戸三名鐘」のひとつに数えられています。高さはおよそ3メートル、重さは10トン近くにも及び、その巨大さと音色の深さで知られています。
江戸三名鐘とは、増上寺(芝)、寛永寺(上野)、浅草寺(浅草)の三カ所にある大きな梵鐘を指す言葉で、かつてはその鐘の音が江戸市中に響き渡っていたと伝えられています。当時の川柳には「今鳴るは芝か上野か浅草か」と詠まれ、庶民の生活に溶け込んでいた様子がうかがえます。
現在も増上寺では、この大梵鐘が特別な法要の際などに使用されることがあります。その音は低く響き渡り、心を静めるような重厚さを感じさせます。
ただし、日常的に鳴らされているわけではないため、訪問時に実際の音を聞ける機会は限られます。事前にイベント情報などを確認しておくとよいでしょう。
歴史ある鐘を目にするだけでも、その時代背景や人々の思いに触れる貴重な体験となるはずです。増上寺の中でも、特に注目すべき文化財の一つといえます。
築地本願寺は天竺様式の仏教建築
築地本願寺の建築様式は、他の日本の寺院とは大きく異なり、見る人に強い印象を与えます。その理由は「天竺様式」と呼ばれるインド風の建築デザインを採用しているためです。
この寺院は1934年に再建されたもので、設計を担当したのは伊東忠太という著名な建築家です。彼はインドから仏教が伝来したという歴史的背景を重視し、仏教の起源地である天竺(インド)の文化を建築に反映させました。その結果、築地本願寺はインド古代仏教建築を模した独自の外観を持ち、日本において非常に珍しい石造りの寺院となっています。
正面のファサードや柱の装飾には異国的な彫刻が施され、まるで海外の宗教施設を訪れたかのような錯覚にとらわれるほどです。これにより、築地本願寺は仏教建築としての伝統を保ちながらも、世界に通用する個性を持つ寺院として高く評価されています。
ただし、独特のデザインのため、従来の「和風寺院」のイメージとはかけ離れており、初めて訪れる人には仏教寺院とは気づきにくいこともあります。その点を理解したうえで訪れると、建築の面白さをより深く味わうことができるでしょう。
築地本願寺のステンドグラスと大理石
築地本願寺の内部には、日本の寺院ではあまり見られない「ステンドグラス」や「大理石」がふんだんに使われています。これらの要素が、寺院全体に西洋的な雰囲気を漂わせている点が大きな特徴です。
特に、本堂入口に設置されたステンドグラスは、光の加減によって色彩が変化し、荘厳な空間を演出します。一般的な寺院とは異なり、光の美しさを取り込む設計になっていることで、仏教建築としての新しい表現が感じられます。
また、床や階段、壁面などには大理石が使用されており、その重厚で滑らかな質感が参拝者を静かな気持ちに導いてくれます。仏教の教えにふれる場所として、視覚的にも「心が整う」空間設計がなされているのです。
一方で、こうした素材は日常的な和風建築に慣れた人にとってはやや違和感を覚えるかもしれません。前述のとおり、従来の日本寺院に見られる木造の温もりとは一線を画しているためです。
しかし、その意外性こそが築地本願寺の魅力であり、仏教の普遍性や国際性を象徴する存在として、多くの参拝者や観光客を惹きつけています。
増上寺 築地本願寺周辺の観光スポット
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築地場外市場はグルメと食文化の宝庫
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波除神社の厄除大獅子と歴史
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すしざんまい本店で味わう海鮮ちらし丼
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吉野家築地一号店記念石碑を訪ねて
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増上寺近くで楽しむ東京タワーの景観
築地場外市場はグルメと食文化の宝庫
築地場外市場は、東京を代表する食の拠点として知られており、観光客や地元の人々からも根強い人気を集めています。豊洲市場に中央卸売機能が移転した現在でも、場外市場には約400軒を超える店舗が並び、新鮮な食材や名物グルメが手軽に楽しめます。
特に注目されているのが、海鮮を使った丼ものや寿司、玉子焼き、練り物などの食べ歩きグルメです。市場の活気に包まれながら食べる料理は格別で、まさに「食文化の宝庫」といえるでしょう。また、業務用の調理器具や包丁など専門性の高い商品も多く、料理人や飲食業に関わる人にも重宝されています。
ただし、日曜・祝日は営業していない店舗も多く、訪問するタイミングによってはシャッターが閉まっているエリアも見られます。訪れる前に営業日や営業時間を確認しておくと安心です。
このように築地場外市場は、観光地としてだけでなく、日本の食文化を実際に体感できる貴重なスポットとして、多くの人に親しまれています。
波除神社の厄除大獅子と歴史
波除神社(なみよけじんじゃ)は、築地場外市場のすぐそばに位置する小さな神社ですが、強い霊験をもつ「厄除けの神社」として知られています。その歴史は江戸時代にさかのぼり、築地一帯がまだ海だった時代の埋め立て工事の最中、海上に光を放つ御神体が出現したことが創建のきっかけとされています。
この神社の象徴ともいえるのが、「厄除天井大獅子」と「お歯黒獅子」の巨大な獅子頭です。社殿の左右に鎮座するこれらの獅子は、参拝者を災厄から守る存在とされ、現在でも多くの人が健康や安全を祈願しに訪れています。その迫力ある姿は、築地を訪れたなら一見の価値があります。
また、波除神社の境内には「すし塚」「海老塚」「玉子塚」など、食材に感謝を捧げるユニークな塚が並んでいます。これは市場と深いつながりを持つこの地域ならではの文化であり、食に携わる人々の信仰の場ともなっています。
なお、神社自体はコンパクトな造りですが、築地場外市場と合わせて回るにはちょうど良い立地にあるため、観光ルートとしても非常に便利です。歴史と信仰、そして食の文化が交差する貴重な場所として、多くの参拝者に親しまれています。
すしざんまい本店で味わう海鮮ちらし丼
築地場外市場の人気店「すしざんまい本店」では、ボリュームたっぷりの海鮮ちらし丼を楽しむことができます。築地の新鮮な海の幸を一度に味わえるこのメニューは、訪問者の満足度も非常に高く、多くの観光客が注文する定番メニューとなっています。
この本店は2001年にオープンし、日本初の24時間営業・年中無休の寿司店として話題になりました。特に注目されるのは、毎年正月に行われるマグロの初競りでの落札がニュースになることでも知られる、いわば「築地の顔」のような存在です。
海鮮ちらし丼には、まぐろ・いくら・ほたて・海老などの多彩なネタが丁寧に盛り付けられ、見た目にも美しく食欲をそそります。ご飯の大盛りも無料で提供されるため、男性やたくさん食べたい方にもおすすめです。さらに、大名椀と呼ばれる具沢山の味噌汁もセットになっており、満足感のある一品です。
ただし、昼食時や週末は混雑することもあるため、できるだけ早朝や平日の訪問がスムーズです。カウンター席では職人の手元も間近に見ることができ、ライブ感ある食事体験ができるのも魅力の一つでしょう。
吉野家築地一号店記念石碑を訪ねて
築地には、牛丼チェーン「吉野家」の原点を示す記念碑があるのをご存じでしょうか。それが「吉野家築地一号店記念石碑」です。築地場外市場の一角に設けられたこの石碑は、吉野家が最初に開業した地であることを後世に伝えるために建てられました。
吉野家の創業は1899年(明治32年)で、元々は築地市場の魚河岸で働く人々に向けた、手早く食べられる食事として牛丼を提供していたのが始まりです。そのルーツを記録するこの石碑には、「ここから吉野家の歴史が始まった」という企業の誇りと感謝の思いが込められています。
場所は波除神社からもほど近く、築地場外市場を散策する途中で立ち寄りやすい位置にあります。石碑そのものは大きくありませんが、写真撮影をする人も多く、吉野家ファンや食文化に関心のある人にとっては見逃せないスポットとなっています。
ただし、周囲は飲食店や物販店が密集しているため、気づかずに通り過ぎてしまうこともあります。訪れる際は、マップアプリや現地の案内板を活用して位置を確認すると安心です。
この記念碑は、築地の歴史と日本の外食産業の進化を感じることができる、意外な見どころのひとつといえるでしょう。
増上寺近くで楽しむ東京タワーの景観
増上寺を訪れる際には、すぐ隣にそびえる東京タワーの景観もあわせて楽しむことができます。このエリアは、歴史ある仏教寺院と現代的な観光名所が共存する、東京でも珍しい景色を見られるスポットの一つです。
特に印象的なのは、増上寺の本殿や三解脱門越しに東京タワーを眺める構図です。朱色の門や伝統的な瓦屋根と、東京タワーの赤い鉄骨がバランスよく重なり、和と洋、過去と現在が融合した景色が広がります。境内の中心部からは遮るものが少なく、四季折々の風景と一緒に撮影できるため、写真映えするスポットとしても人気です。
また、日中はもちろん、夕方から夜にかけてのライトアップされた東京タワーを見るのもおすすめです。とくに日没直後には、空の色のグラデーションとともに幻想的な景観が楽しめます。増上寺の静かな境内から眺めるライトアップは、繁華街とは異なる落ち着いた雰囲気で、心を癒してくれるでしょう。
一方で、観光シーズンや週末は人出が多く、写真撮影や参拝にやや時間がかかることがあります。静かに景観を楽しみたい方は、早朝や平日の訪問が狙い目です。
こうした増上寺と東京タワーの組み合わせは、東京観光の中でも特に記憶に残るシーンになるはずです。歴史と現代が同じ風景の中に共存している光景は、東京の多面性を象徴するものと言えるでしょう。
増上寺 築地本願寺をめぐる見どころ総まとめ
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三解脱門は煩悩からの解放を象徴する重要文化財
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増上寺の本殿は東京タワーとの調和が美しい
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増上寺は徳川将軍6人の墓所を擁する菩提寺
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増上寺の大梵鐘は江戸三名鐘の一つとして有名
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築地本願寺はインド風の天竺様式を採用した建築
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ステンドグラスと大理石で構成された近代的本堂
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境内の雰囲気は仏教と西洋文化が融合した独特な空間
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境内は参拝スペースが広く開放感のある造り
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築地場外市場には新鮮な海鮮やグルメが並ぶ
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市場は食材だけでなく調理器具の宝庫でもある
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日曜や祝日は営業していない店が多いため注意が必要
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波除神社は築地の守り神として信仰を集める
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厄除大獅子は迫力があり参拝者に人気
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すしざんまい本店では海鮮ちらし丼が人気メニュー
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吉野家築地一号店の記念石碑は外食文化の起点を示す